密かに楽しみにしていたこの日。 奄美大島にいながら一度も見に行ったことのない秋名のアラセツを見学してきました。
秋名のアラセツは国指定の重要無形民族文化財に指定されており山と海から稲霊を招いて五穀豊穣に感謝し、来年の豊作を祈願する祭りです。
早朝に「ショチョガマ」、夕方に「平瀬マンカイ」が行われるということで今日は早起きして行って参りました!
早朝と言っても一度も行ったことがない私は、午前3時半に名瀬を出発し、午前4時には秋名に着くという気合いの入れよう。。。
まだ誰もいないし...集落の人も来てないし...

これがショチョガマの舞台となるわらぶきの屋根です。
とにかく神聖な場所という意識が強く、初めて参加するし...ここにいて邪魔にならないだろうかという不安の中、約1時間待ちましたよ。
蚊に刺されながら。
午前5時頃には機材を抱えた報道の方やカメラマンがそろそろと増え、集落の人もだんだんと集まってきました。
話を聞くと舞台のとこまで誰でも行っていいということで、暗い中ハブに注意しながら山中へ。。。
※ただし、屋根の上に乗っていいのは男性だけのようです。

途中ゲジゲジ?に遭遇しビクビクしながらの撮影です。
舞台の向きは、太陽の昇ってくる東の方向を向いており、秋名集落の水田も一望できます。
夜明け前には太鼓の音が鳴り響き集落の方々がどんどんと集まってきます。


最前列にはチヂンを持った方々が整列しアラセツの唄でしょうか、ずっと唄い続けます。

いつの間にか多くの観光客や報道陣、地元の方が集まり下の方までスゴイ人です。
まだ6時前なのにこんなに人が集まるのかと驚きでした。

近くの方に話を聞くと、今年は土曜日にあったおかげか人が多いらしく、わらぶきの屋根の上には約100名近い男性が乗っているとのこと。
太鼓の音にあわせ「ユラ!メラ!」という掛け声とともに何度も屋根を揺すり、日の出の時間にあわせて屋根を傾き倒し、しかもその倒れる方位によって豊作の吉凶を占うようです。
その方向が南向きがと豊作の知らせだと言われています。
ユラ!メラ!

これがまたジラすんです。
少し傾いては動きを止め、日の出の時間を伺っているようです。
多くの小中学生や、赤ちゃんを抱いた方なども参加しているのも驚き!!
ユラ!メラ!!

ここでハプニング?!発生です。 わらぶきの屋根につながれていた太い綱が突然切れました...
これも計算なのでしょうか? 周囲の反応を見る限りではそんな感じは見受けられません。
よーりよーりやぁ!
という言葉が飛び交ってます。 まだお日様が出てないようです。
しばらくこう着状態が続いた後、次第に声や動きに熱気を帯びてきました!

ついに踊りは最高潮に達し、バサバサという音とともに屋根が崩れ落ちました!!
今年の方向は南向きです!! やったぁ☆
手前の少年が落ちそうです。


倒れた屋根の上では歓喜の舞いです。
いつの間にか輪になり八月踊りを踊ります。

土台の基礎部分。100名もの重さに耐え、幾度となく揺れる重圧にも耐え、日の出の時間にはしっかりと倒れてくれる。
伝統行事は本当にすごいです!長年の歴史と経験がちゃんと引き継がれているんですね。

みんな笑顔で輪になり豊穣を祈願する。
一年に一度の行事ですが、本当に来て良かったと思います。 なんだか大きなパワーをもらいました。
戦時中には一度途絶えてしまったようですが、それ以降はどんなに天気が悪くても旧暦八月の初丙の日には行事が行われてきているようです。
私は今まで、島の伝統行事はならわしや昔からの言い伝えに縛られ、なんだかとても固いイメージがあったのですが、ショチョガマは男性
であれば誰でも屋根にのぼって参加でき、観光客も集落の人たちと同じように動き同じように喜びを共有できるように工夫されており、島
の伝統文化ってやっぱりいいな!と改めて思いました。
知らない人とでも、同じように掛け声をかけ踊り、汗をかくってやっぱり楽しいですもんね

夕方からの「平瀬マンカイ」にも行ってきましたが、今日はここまで!!
平瀬マンカイ編はまた後ほどアップしたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。